- 2025年1月30日
運動を日々の生活習慣に: 脳内のBDNFを増やしましょう
BDNF (脳由来神経栄養因子, Brain-Derived Neurotrophic Factor) は主に大脳皮質や海馬で産生されるアミノ酸119個からなる分泌タンパク質(神経栄養因子の一種)です。この蛋白は神経細胞の発生や成長、機能維持、修復に重要な役割を果たしています。特に海馬に多く発現しており、主にラットの研究から、神経細胞の発達を促進し、シナプス形成を助け、シナプス可塑性(神経細胞が神経活動依存性にシナプス強度・効率を調節する能力)を高めて長期記憶の形成を支援していると考えられます。これらのことは、BDNFの増加が記憶と学習能力の向上を促すことを示しています。
一方、血液中にも存在し、主に血小板に蓄えられ、脳や骨格筋、血管の内皮細胞で作られたBDNFと考えられています。血管新生・心血管系の保護、エネルギー代謝の調整を行っています。うつ病やアルツハイマー病で血液中BDNFが低下していて、その程度と血中濃度は負の相関を示すことはよく知られています。
運動はBDNFを増やす最も強力な要因の一つ です。有酸素運動(ジョギング・サイクリング・水泳など)、特に中強度から高強度によって、海馬でBDNFが増加し、記憶力や学習能力が向上することがわかっています。筋トレ(レジスタンストレーニング)は有酸素運動ほどではありませんが、BDNFを増やす可能性があります。運動習慣 が脳の健康維持に役立ちます。是非、運動を日々の生活習慣に取り入れましょう(週2回30分、早足で歩くことから始めましょう)。
運動脳 アンデシュ・ハンセン/御松由美子 サンマーク出版 /ChatGPT利用
ふしぐろせんのう(椹島 8月)