- 2026年5月14日
片頭痛の予防薬:ひとつ選択肢が増えました:アトゲパント(アクイプタ アッヴィ)
片頭痛予防薬の比較
| 薬剤 | 特徴 |
| アミトリプチリン(トリプタノール) | 抗うつ薬。下降性疼痛抑制系に関与。眠気の副作用。 |
| バルプロ酸ナトリウム(デパケン) | 抗てんかん薬。眠気の副作用。 |
| トピラマート(トピナ) | 抗てんかん薬。頭痛には保険適応がない。 |
| プロプラノロール(インデラル) | 抗不整脈薬。喘息患者には使用できない。リザトリプタンと併用禁忌。 |
| ロメリジン塩酸塩(ミグシス) | カルシウム拮抗薬。効果は少し劣る。 |
| 抗CGRP抗体薬(注射)(エムガルデイ・アイモビーグ・アジョビ) | 経口の予防薬と比較し有効。1か月(あるいは4週)に1回。3割負担で月に約1万円と高額。 |
| リメゲパント(ナルティーク) | 一日おきに服用。3割負担で月に約1万円と高額。頓挫薬としても使用可能。 |
| アトゲパント(アクイプタ) | 毎日服用。1錠1461.6円(60mg)と高額(3割負担で438円、1か月で約1万円)。 |
生活に支障をきたすような頭痛が月に3回以上ある場合には予防薬を検討することが勧められています。片頭痛予防薬としてここに示すような薬がありますが、新たに選択肢が増えました。ゲパント(経口CGRP受容体拮抗薬)の一つであるアトゲパント(アクイプタ アッヴィ 60mg 30mg 10mg)が使用できるようになりました。Tmaxは1.5時間、T1/2は4.4時間で短めですが、CGRP受容体に対する結合親和性はKi=0.015nml/Lときわめて高く、そのため強力に長く効果があると予想されます。
副作用としては、過敏症、悪心、便秘、食欲減退、傾眠、体重減少、ALT/AST上昇などがあります。主にCYP3Aにより代謝されるため、強いCYP3A阻害作用のある薬剤(抗真菌薬のイトラコナゾール、抗菌薬のクラリスロマイシン)はアトゲパントの血中濃度が上昇し、副作用が強く出る可能性があります。腎機能障害や肝機能障害がある場合には注意が必要です。妊婦・授乳婦に積極的に使用はできませんが禁忌とはなっていません。食事の影響は少ないためにいつ服用してもよいとされています。

いわなし(磐梯山 5月)