• 2023年5月6日
  • 2024年12月3日

認知症はMRIで診断可能?

いろいろな方から、認知症になっていないか心配だから、あるいは認知症になると困るから、MRIを撮ってくれ、と言われます。認知症はMRIのみで診断可能でしょうか?おそらくみなさんは、萎縮=認知症と思われているのではないかと思います。認知症の診断はそれほど単純なものではありません。また、残念ながら、普通に社会生活を送っておられる方が将来認知症になるかどうかをMRIで判断することはできません。加齢に伴い脳全体が萎縮していくことは明らかとなっています。MRIでは萎縮の程度は確認できますが、萎縮と認知機能との関連は明らかでなく、ましてや将来までは予測できません。飲酒は脳萎縮をきたす生活習慣の代表格ですが、飲酒によると考えられる脳萎縮と認知症の直接の関係は示されていません。MRIで脳全体の萎縮の程度は強いのに、認知機能が保たれている方はかなり見受けます。もちろんMRIは認知症診断に必須です。症状などから認知症が疑わしい患者さんに、その症状に見合った脳の変化があるかどうかをMRIで確認して診断します。また、MRIに前頭側頭型認知症などの認知症の特徴的な所見があるような場合、改めてその症状をくわしく伺うということもあります。認知症の診断は単純なものではなくMRIは診断に必要な検査のひとつにすぎません。一方、認知症の代表的疾患であるアルツハイマー病の半分は典型的な脳萎縮を認めますが、約3割は脳萎縮はきわめて軽度であることが分かっています。将来認知症(アルツハイマー)になる可能性が高いかどうかを調べる検査があります。この重要な検査については、本ブログ「将来、認知症(アルツハイマー)を発症するかどうか予測できる検査」に記しています。

きただけとりかぶと(北岳山荘付近 8月)

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