• 2023年6月13日
  • 2023年6月16日

梅雨:片頭痛にはつらい季節となりました。低気圧で片頭痛は誘発されるのでしょうか?

片頭痛の患者さんの多くが、「低気圧が来ると頭痛が起こる」と訴えます。我々のバイブルである「国際頭痛分類」や「頭痛の診療ガイドライン」には、気圧と頭痛に関して記載がないため、文献で調べてみました。NIH(National Library of Medicine)の文献検索サイトで、air pressure・migraineと入力したところ、1978年から2023年まで34件の文献が検索できました。たくさんの片頭痛患者さんが訴えておられる割に、あまり多くの研究はされていないようです。その中で、総論(これまでの研究をまとめたもの)がひとつありました。「気圧や天候の変化が片頭痛の引き金になることはこれまで検討されてきていますが、一定の結論には至っていません。気圧の変化は空気の動きを生み出し、特に低気圧は気温、風、雲、雨などの天候に関連しており、これらがどのように片頭痛を引き起こすか明らかとはなっていません。しかし、高い高度への移動や、飛行機内で大気圧の変化にさらされても、片頭痛は誘発されないことが明らかになっています。つまり、天候などの他の要因を伴わない気圧の変化そのものは片頭痛を引き起こさないことを示しています。」低気圧そのものではなく、低気圧に伴う天候の変化が片頭痛には関係しているというのがこれまでの研究結果のまとめです。

chatGPTに聞いてみますと、「はい、気圧の変化は一部の人にとって片頭痛の引き金となる可能性があります。気圧の変動は大気の圧力の変化を指し、特に低気圧や急激な気圧の変化が片頭痛の発作を引き起こすことが知られています。気圧の変化が片頭痛に与える具体的な影響はまだ完全には理解されていませんが、いくつかの理論が提唱されています。一つは、気圧の変化が血管や神経に直接的な影響を及ぼし、それが片頭痛を引き起こす可能性があるというものです。また、気圧の変化が酸素や二酸化炭素の濃度に変化をもたらし、それが片頭痛を誘発する要因となるという説もあります。」やや心もとない説明で、気圧の関与を肯定しています。インターネット上の、あまり根拠のない説明をもとに構成されているようです。

いわべんけい(北岳山荘付近 8月)

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