一般外来
当院は脳神経を専門とし、かかりつけ医としての機能も果たす診療所です。高血圧、高脂血症、肥満、不眠などの生活習慣病の管理にも力を入れております。健康診断を受けておられる方は、その結果をお持ちください。脳神経・脊髄の病気に関することは何でもご相談ください。脳卒中や頭部外傷の後遺症に悩まれておられる方もどうぞ。脳腫瘍の治療後の経過観察、脳動脈瘤・髄膜腫の経過観察も行っております。画像を撮られている場合にはお持ちください。また、お薬を飲んでおられる方は、お薬手帳をお持ちください。
生活習慣病外来(高血圧・高脂血症など)
成人病検診で診療所の受診を勧められた方、日ごろ血圧が高いと感じておられる方、脳卒中や心筋梗塞の家族歴があり心配な方などが対象となります。一次予防の観点から管理を行います。私は、これまで脳卒中患者さんの2次予防として、高血圧・高脂血症、糖尿病などの管理に長年携わってきました。各種ガイドラインにそって検査・治療・生活指導などを行います。ブログに関連する記事を掲載しておりますので参照してください。
何でも相談できる、かかりつけ医としての機能も果たします。
頭痛外来
*日本頭痛学会専門医
頭痛は、頭のなかに腫瘍や血管障害などの病気があって起こる怖い頭痛か、そうでないかをまず見分ける必要があります。よくお話を伺うことで診断は可能です。診断に頭や首のMRIが必要なこともあります。怖い頭痛が疑われる場合には当日にMRIを行います。
*片頭痛
片頭痛は、拍動性で片側におこり、光や音に敏感となり、動くと悪化し吐き気を伴います。中等度から寝込むほどひどい頭痛で、4~72時間続きます。これらの特徴はすべてそろっていないこともあります。中学生くらいから頭痛がある場合はほぼ片頭痛と考えられます。2割くらいに前兆を伴います。前兆がある片頭痛の半分に、よく調べると心房中隔欠損があるとされています。
市販薬もある程度効果はありますが、片頭痛にはトリプタンという特効薬があります。この特効薬は処方箋なしに薬局では買えませんので、我慢しないで、医療機関を受診してください。不規則な生活や、不眠、ストレスで悪化し、連日に起こるようなこともあります。生活に支障がでる場合には、予防薬を使用します。予防薬には作用機序の異なる数種類の薬があります。また、CGRP抗体薬という注射もあり、頭痛予防にきわめて有効です。
エストロゲンを含む女性ホルモン製剤(ピル)の副作用に血栓がありますが、片頭痛はこのリスクを増します。頭痛があって服用中の方は一度専門医の受診を勧めます。
*群発頭痛
群発頭痛は、一側性(右か左どちらか)の強い頭痛発作が目の周り、目の上、側頭部などに15~180分間持続する頭痛です。発作頻度は1回/2日~8回/日で、頭痛と同じ側の結膜充血、流涙、鼻閉、鼻漏、前額部の発汗、縮瞳、眼瞼下垂、眼瞼浮腫を伴うことを特徴とします。頭痛がひどいと生活に支障が出てしまいます。頭痛時の有効な治療方法として、スマトリプタン3mg皮下注、フェイスマスク側管から7L/分で15分の高濃度酸素の2つが推奨されています。当院では、在宅でこれらの治療法が可能です。
ブログに関連する記事を掲載しておりますので参照してください。
認知症外来(物忘れ外来)
*日本認知症学会専門医・指導医
最近物忘れがあり今後認知症になるか心配な方、高齢のご両親や身内の方(同居しているかあるいは定期的に訪問)が認知症ではないかと心配である場合はご一緒に来ていただければと思います。まずは、これまでの生活歴、既往歴、服用されている薬、物忘れの症状をくわしく伺います。
そのうえで、認知症の診断のための検査を行い、生活機能、行動・心理症状を評価します。さらに認知症の診断をより確実にするためMRIを行い、体の病気で認知症状をきたすこともあるため血液検査を行います。また、診断のために髄液検査を行うこともあります。
高齢化に伴い65歳以上の認知症の有病率は15%と推定されています。そのなかで最も多いのは、アルツハイマー型認知症です。アミロイドβとタウが蓄積することによります。出来事記憶の障害が特徴的で、約束を忘れたり、物の置き場が分からなくなったり、話したことを忘れて同じ話を繰り返します。それに引き続き、見当識障害がおきます。時間の感覚がなくなり、場所が分からなくなります。MRIでは側頭葉内側に優位の萎縮を認めます。この程度ですと認知症とは診断できないこともありますが、厳重に経過観察が必要です。
一方、若い方で、心配されて来院される方のなかにはまれに脳腫瘍などが見つかることもありますが、ストレスが原因のことがほとんどです。
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三叉神経痛(顔の痛み)外来
三叉神経痛とは、一側の三叉神経の支配領域に一致して繰り返しおこる短時間の劇痛(数分の1秒~2分)で、食事中や、顔を洗ったり、歯を磨いたりする動作で誘発される特徴があります。脳腫瘍などが原因となることもありますが、多くは頭蓋内で、脳血管が三叉神経の根元に当たることによっておきます。舌咽神経痛や中間神経痛など鑑別すべき疾患は多く、難渋することもあります。カルバマゼピンで症状が軽快するのが特徴と言えます。
帯状疱疹後の神経痛では、持続する焼けつくような痛みとかゆみがあり、患者さんを苦しめます。第2枝第3枝に多い三叉神経痛とは異なって第1枝に多いのが特徴です。群発頭痛を代表とする三叉神経・自律神経性頭痛は、片側の眼の周囲の痛みで、同じ側に結膜充血・流涙・鼻閉・鼻漏・眼瞼浮腫・発汗などを伴いますが、本人は痛みが強くて気が付かないこともあります。その他、歯科疾患、副鼻腔炎などの耳鼻科疾患、緑内障などの眼科疾患、顔面外傷によるものなど、原因は多岐にわたります。
くわしくお話を伺って診断し、適切な治療方法を提示します。MRIをすでに撮っておられる方はお持ちください。
不眠・睡眠時無呼吸症候群外来
良質な睡眠をとることは健康的な生活には必須と言っていいでしょう。良い睡眠は、脳・心血管、代謝、内分泌、免疫、認知機能、精神的な健康の増進・維持に重要であり、睡眠が悪化することで、これに関連した様々な疾患の発症リスクが増加し、寿命短縮リスクが高まることが報告されています。このために、睡眠薬の力を少し借りる必要がある場合もあります。
一方、睡眠障害に病気が潜んでいることがあります。小児期、青年期、壮年期、老年期と年齢に応じた問題が潜み、その原因を見つけ出し治療することで睡眠障害の改善が期待できます。
当外来では、よくお話を伺うことで、その原因を探り根本から治療することを目指しています(当院で難しいと判断した場合には専門医を紹介します)。例えば、睡眠時無呼吸症候群が潜んでいると、この病気に対する治療を行わない限り睡眠休養感は得られず、これに関連する昼間の眠気や午前中の頭痛はとれません。また、うつ病などの精神疾患では、高い確率で併存する不眠症状や過眠症状のために睡眠が短くなったり長くなったりし、睡眠休養感が慢性的に得られにくくなります。
頻度が多く、検査・治療が確立されているのは睡眠時無呼吸症候群です。有病率は50歳代の女性で約10%、男性で10~20%とされています。高齢になるとさらに増えます。多くの場合、閉塞性睡眠時無呼吸で、加齢・肥満が発症関連要因です。寝ているときにいびきで目覚めることのある方や呼吸が止まっていると指摘される方、昼間に過度の眠気がある方にこの病気の可能性があります。検査は、自宅で一晩装置をつけて行う睡眠ポリグラフ検査で検出でき、CPAP(continuous positive airway pressure 持続陽圧呼吸療法)がスタンダードな治療です。
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