- 2024年9月21日
- 2024年10月22日
morning headache(頭痛で眼が覚める 起床時にある頭痛 朝からある頭痛)がしばしばある方へ
朝頭痛があるということは、睡眠中に何らかの問題があるということです。片頭痛などの一次性頭痛ではなく、何らかの病気があっておこる二次性頭痛の可能性が高いため、早めに医療機関を受診しましょう。可能性としては以下のものがあります。
① 脳腫瘍
脳神経外科医にとってmorning headacheといえば、脳腫瘍をイメージします。朝頭痛を起こす代表的な病気と言えます。夜間に換気不良になることから血中の二酸化炭素濃度が上昇して、脳の血管が拡張し脳圧が上昇して頭痛がおこります。多くは吐き気を伴い、何らかの巣症状(手足のしびれやしゃべりにくい歩きにくいなど)を伴っていることがあります。MRIやCTが必要になります。
② 睡眠時無呼吸症候群
起床時から午前中にかけて起こる頭痛で、通常両側性で吐き気はなく、持続は4時間未満とされています。昼間の眠気や高血圧を伴います。うつや認知症の原因のこともあります。自宅で行う睡眠時ポリグラフィー検査で診断可能です。中年以降の太った男性に多い印象ですが、痩せた方や女性にもおこります。睡眠時無呼吸の治療(CPAP Continuous Positive Airway Pressure 持続陽圧呼吸療法)によって頭痛は改善します。
③ 急性副鼻腔炎(蓄膿症)
多くは風邪のあとなどに連日続く、比較的若い人に多い頭痛です。副鼻腔には、前頭洞、篩骨洞、蝶形洞、上顎洞がありますが、左右一致した部位に痛みを生じます。顔面の痛みを伴うこともあります。同時にある鼻炎で睡眠が妨げられ、寝ていて膿が排出されないために痛みが強くなると考えられます。鎮痛剤の効果が少ないのも特徴です。通常は抗生物質で改善します。診断にはCTなどの画像診断が必要です。
④ その他の二次性頭痛
二日酔い・薬剤の使用過多・夜間高血圧・低血糖・うつ病・起立性調節障害・睡眠障害・ピックウィック病・慢性閉塞性肺疾患・睡眠時周期性下肢運動など。
⑤ 一次性頭痛
片頭痛・群発頭痛でも連日朝に起こることがあります。また、睡眠時頭痛と言って睡眠中にのみおこる、原因のあきらかでない頭痛もあります。
参考文献
Larner AJ. Not all morning headaches are due to brain tumours. Pract Neurol. 2009 Apr;9(2):80-4. doi: 10.1136/jnnp.2008.171140. PMID: 19289557.
しろばなたかねびらんじ(千枚岳付近 8月)