• 2023年11月27日
  • 2023年11月28日

高血圧の降圧目標 塩は一日6g未満に 尿検査で確認できます

我が国の高血圧者数は4300万人と推定され、そのうち3100万人が管理不良とされています。薬物治療を受けていても管理が十分でない人の数は1250万人と推定されています。私も、薬を飲んでいても十分にコントロールできずに脳卒中になる患者さんを経験しています。

ここに、高血圧の基準値を示します(年齢に関係なく)。

高血圧の基準値 
診察室140/90mmHg
家庭血圧(起床後1時間以内排尿後で朝食前と夕食後就寝前の2回の平均値)135/85mmHg

診察室ではなく(診察室では緊張して上がってしまう人が多いため)、家庭血圧を指標とした血圧管理が推奨されています。家庭血圧の降圧目標値は以下のように、高血圧の基準値より低い値となっています。

家庭血圧の降圧目標値 
75歳未満125/75mmHg
75歳以上135/85mmHg

日本人の高血圧の特徴として、塩分摂取量が多いことが挙げられています。南米のヤノマミ族は、摂取する塩が極端に低いため(0.1g以下)、最も低血圧の部族として知られ、加齢による血圧上昇もありません。一方、かつて東北地方の秋田県では, 冬の保存食である漬物などの塩分過多で、一日食塩を35gも摂取していたとのレポートがあります。塩分過多は、このための高血圧、それに続いて起こる脳卒中の最大の要因として、東北地方を中心に減塩運動が始まり、やがて全国に展開されていった経緯があります。

現在、「高血圧治療ガイドライン」では、食塩制限6g/日未満が目標値とされています。一般のクリニックでは、高血圧の患者さんから尿を採取、ナトリウム、クレアチニンを測定し、一日の食塩摂取量の概算値を参考とすることが推奨されています(当院でも行っています)。生活習慣では減塩が最も重要です。高血圧の方は食事を見直してみましょう。そのほか気を付けるべき生活習慣として、野菜・果物を積極的に摂取する、適正体重を維持する、運動、節酒、禁煙、防寒・ストレス管理などが挙げられています。

ぎんりょうそう(北岳中腹 6月)

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